2025年6月12日
大阪でうまい食べ物といえば串カツです
串カツ(串揚げ)は、日本の大阪を代表する庶民的な料理であり、サクサクとした衣とジューシーな具材が絶妙に調和した味わいが魅力です。豚肉、牛肉、海老、イカ、ウズラの卵、レンコン、玉ねぎ、アスパラガスなど、バリエーション豊かな食材が竹串に刺され、衣をまとって油で揚げられます。外はカリッと、中はふっくらジューシーで、素材の旨味を衣が閉じ込めることで、噛むごとに口いっぱいにおいしさが広がります。串カツの魅力は、そのシンプルさと自由度にあります。食材を選ぶ楽しみ、自分のペースで食べられる気軽さ、そして二度漬け禁止の独特なルールも、食体験にエンタメ性を加えています。特に「ソースの二度漬け禁止」は衛生面だけでなく、大阪文化のユーモアと合理性を象徴しています。テーブルに備え付けられた共用のソース容器に、一度だけ串を浸す――これが串カツ屋の“暗黙の了解”です。
大阪・新世界や通天閣周辺は、串カツ発祥の地とされ、今も多くの老舗や立ち飲み店が軒を連ねています。「串カツだるま」や「八重勝」などは観光客だけでなく地元の人々からも愛され、行列ができる人気店です。店によってはオリジナルの衣や油、ソースを使用し、味の違いを楽しめるのも醍醐味です。また、最近では東京や海外にも串カツ専門店が進出しており、グローバルな広がりを見せています。
串カツは昭和初期の不況時代に、安くて栄養価の高い食事として誕生したと言われています。当時の労働者たちは、手軽に食べられる串カツを愛し、仕事終わりの一杯とともに楽しんでいました。そんな歴史も、串カツをより味わい深いものにしています。
今日、串カツは単なる「おかず」ではなく、食文化の一つとして定着しています。家庭でホットプレートを囲んで楽しむスタイルや、創作串カツとしてチーズやアボカド、バジルなど洋風食材を取り入れた進化系も人気です。
串カツの魅力は、その一口に凝縮された食の喜びと、人々をつなぐ温かな空気感にあります。安くてうまい、気取らず楽しい――そんな串カツは、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。
←次の記事 夏が暑い 何とかしないと | 前の記事→ 最近のキッチングッズは種類が豊富 |