2013年12月25日
借金を返し終わったら借用書も返してもらう
東京都知事だった猪瀬直樹氏で話題になった借用書について気になったので調べてみた。猪瀬元都知事の件は別にしても、借金をしたときは、借用証書を貸し主に渡すのかふつうである。
借用証書がないとすれば、借金に対する証拠も不明確で、借金の存在さえも否定されかねないからである。
もともと信用証書は、多くは金銭貸借を証明する債権証書で、借金を全額弁済したとき、貸し主は借り主に証書を戻すというのが建て前である。
証書を返すということは、借金の返済は完了したことの証明となる。
もし仮に、人のよい貸し主が、貸し金の返済を六割もうけたので、借り主に借用証書を戻したとしよう、この場合、人の悪い借り主なら、残る四割の返済を「証書が戻っていることは弁済した証拠だ」と残金の存在を否認するかもしれない。
こういうこともあるので、全額の債務の返済が終わってから借用証書の返還をすれぼよく、一部の弁済があったからといってすぐに借り主に戻すべきではない。
そのかわり、全額を弁済すれば、借り主は必す借用証書の返還を貸し主に請求することかできる。
完済したのに、借用証書が第三者の手に渡って、2重の請求をうける危険かおるからである(民法487条)。
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