2025年6月12日
羽田空港の国際線ターミナルに行ってみた
今日はどこかへ旅立つわけでもないのに、ふと羽田空港の国際線ターミナルに行ってみたくなった。理由ははっきりしないけど、多分、なんでもない日常から少しだけ離れて、旅の匂いに包まれたかったんだと思う。そんな気分にぴったりなのが、空港という場所。特に国際線ターミナルは、まるで“今ここじゃない世界”とつながってる気がして、行くだけで不思議な高揚感がある。車で羽田まで走る道中、ラジオから流れてくる音楽さえ旅っぽく聞こえた。駐車場に車を停め、ゆっくり歩いてターミナルに入る。自動ドアが開いた瞬間、ひんやりとした空調と、天井の高いガラスの空間が目の前に広がって、心が少し浮き上がる感覚があった。
それにしても、耳に飛び込んでくる言葉がまるで別世界。英語、韓国語、中国語、フランス語らしき響きもあって、聞き取れなくてもなぜか心が躍る。何を話しているかなんてわからなくても、そのリズムや抑揚だけで、「ああ、ここは世界とつながってる場所なんだな」って実感できるのが空港のすごいところ。近くで電話してる人の「I’ll be there in 10 minutes!」っていう声が、もう映画のワンシーンにしか聞こえなかった。
エスカレーターで出発フロアに上がっていくとき、すれ違う人たちの服装も様々で、カジュアルな旅行者からビシッとスーツを着たビジネスマンまでいて、見てるだけでも楽しい。みんながそれぞれの目的地に向かって歩いていく姿には、どこか「物語の中の登場人物感」がある。それに自分は関係ないのに、自然とそのストーリーに入り込んでしまうのが不思議。
ちょっと早めの昼ごはんに選んだのは、レストラン街のラーメン屋さん。周りの席では、外国から来た観光客が日本の食に興味津々で、「What’s the difference between shoyu and miso?」なんて話していたり、注文のたびに「アリガトーゴザイマス」と練習してたりして、思わずニヤッとした。こっちは旅をしてるわけじゃないけど、こうして他の国の文化や人と交わるだけで、ちょっと異国を歩いてるような気持ちになれる。
食後は、ぶらっと免税店や本屋を冷やかしてから、展望デッキへ。滑走路の先でごうごうと音を立てて離陸する飛行機。あれに乗って、今ごろシンガポールに向かってる人もいるんだな、ロンドンに行く人もいるのかもな、なんて空に向かって旅の妄想が広がっていく。近くでは外国人家族がデッキから記念写真を撮っていて、子どもが「Is that our plane, mommy?」ってはしゃいでいた。ああ、こういう瞬間の空港って、ほんとに世界中のストーリーがぎゅっと集まってる感じがする。
帰りの車では、空港で聞こえたいろんな言語が、まだ耳の中でほんのり響いてた。行き先がない旅も、こんなふうにちょっとだけ自分を外へ運んでくれる。「旅に出る」って、別に飛行機に乗らなくても、こんなふうに気持ちだけでも遠くへ飛べるものなんだなって実感した一日だった。
今度は夜の国際線に来ようかな。きっともっと、世界の距離が近く感じられる気がする。
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